「投資信託だけで、本当にいいんだろうか?」
新NISAが始まり、これから資産形成を頑張ろうと思っている方ほど、一度はこの疑問にぶつかるのではないでしょうか。
「もっと効率的な方法があるんじゃないか」 「個別株をバリバリこなす人たちが羨ましい……」
そんな迷いの中にいる方も多いと思います。 2000年に個別株からスタートし、今も変わらず悩みながら投資を続けている私の一つの結論をお話ししたいと思います。
期待と絶望のあの日から、26年
前々回の記事で告白した通り、私の投資人生は2000年、ITバブルが崩壊した直後の「冷え切った相場」から始まりました。
当時は「株式投資とはどんなものか」という純粋な興味と、「少しでも儲けてみたい」という期待感や楽しみで胸がいっぱいでした。 「これから自分のお金はどうなるんだろう?」というワクワク感は、今でも昨日のことのように思い出せます。
しかし、現実は甘くありませんでした。 損切りの決断ができず、含み損が膨らむのをただ眺めるだけ……。あの時の胸が締め付けられるような感覚、そして自分への情けなさは、今でも忘れられません。
その失意の中、前回の記事にあるように、2007年に投資信託に出会いました。 それからさらに19年。 紆余曲折を経て、私は今、ようやく「穏やかな気持ち」で相場と向き合えるようになりました。
「退屈」は、最強の守りだった
投資信託をメインに据えてから、私の投資生活は少しづつ変わりました。 一番の変化は、「株価を気にしなくてよくなったこと」です。
個別株にのめり込んでいた頃は、仕事中もチャートが気になり、暴落のニュースが流れれば血の気が引く思いをしていました。常に心がソワソワして、どこか落ち着かなかったのです。
しかし、分散された投資信託を軸にしてからは、不思議と暴落が怖くなくなりました。
正直、最初は「なんて退屈なんだろう」と思いました。 けれど、四半世紀以上たってようやく気づいたのは、「投資が退屈であるということは、それだけ自分の人生に集中できている」という事実です。
画面の中の数字ではなく、目の前の仕事や、家族との時間を大切にできる。 これこそが、投資を続ける本当の良さだったのですね。
辿り着いた、私の「黄金比」
そんな私が、長い年月を経て辿り着いたのが、このシンプルなバランスです。
投資信託:6割(攻め)
安全資産(個人向け国債・現金):4割(守り)
「投資信託だけでいいのか?」という問いへの、私の今の答えは「投信をメインにしつつ、自分に合った比率の安全資産を持つこと」です。
私は現在「6:4」という比率に落ち着いていますが、これはあくまで私にとっての心地よさを優先した結果であり、もちろんこれが唯一の正解というわけではありません。
もっとリスクを取れる方もいれば、より慎重にいきたい方もいらっしゃるはずです。 ただ、私のような普通の人間にとって大切だったのは、この**「守りの資産」があるからこそ、攻めの資産(投資信託)が暴落しても落ち着いていられる**という安心感でした。
「最悪、投資信託が半分になっても生活は揺るがない」
という確信こそが、何物にも代えがたい「心の安定剤」になってくれました。
これからも、自分なりの「正解」を探して
26年前、期待に胸を膨らませて飛び込んだ私が、数々の失敗を経てようやく見つけたのは、「枕を高くして寝られる場所」でした。
人によって, その場所は違うと思います。 でも、もし今あなたが迷っているのなら、まずは「自分が安心して眠れるバランス」を探してみるのも一つの方法かもしれません。
投資の成功は、決してリターンの数字だけではない。 「今日もよく眠れた。明日も楽しみだ」 そう思えることこそが、私たちが投資を続ける本当の理由ではないでしょうか。
26年かかってようやく分かったこの平穏が、同じように悩むあなたの、ほんの少しのヒントになればこれほど嬉しいことはありません