「銘柄が多すぎて、どれを選べばいいか分からない……」
「オルカン1本でいいって聞くけど、本当にそれだけで大丈夫かな?」
新NISAをきっかけに投資を始めた方の多くが、この「銘柄選び」で一度は立ち止まってしまうのではないでしょうか。
実は私も、2000年から始めた個別株で手痛い失敗をしてから、今のスタイルに辿り着くまで、何度も「これでいいのかな?」と迷い、寄り道をしてきました。
今回は、一人の素人投資家として、私が26年かけてようやく見つけた「自分なりに納得できる選び方」のお話をさせてください。
「昔の正解」が、今の正解とは限らない
私が2007年、投資での失敗による失意の中で、半ば逃げ込むようにして出会ったのが「セゾン・グローバルバランスファンド」でした。
当時は世界中の株式と債券をこれ1本でカバーできる画期的な商品で、「自分にはもうこれしかない」と祈るような気持ちで持っていたのを覚えています。当時の信託報酬(手数料)は年0.50% ± 0.03%程度と、当時の基準ではとても安く、初心者の味方のような存在だったのです。
でも、時代は少しずつ変わっていきました。 今では、もっと手数料が安くて便利な商品が、次々と登場しています。
正直なところ、一度決めた銘柄を乗り換えるのは「面倒だな」という気持ちですが、 それでも「今の自分にとって、より負担が少なくて合理的なもの」へと、ゆっくりアップデートしていく柔軟さも大切なんだな、と今では感じています。
私が「eMAXIS Slimシリーズ」に落ち着いた理由
いろいろな商品を見てきましたが、今の私のメインは「eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)シリーズ」です。
理由はとてもシンプルです。 「業界で一番安い手数料を目指し続ける」と宣言してくれているから。
投資の結果は神のみぞ知るですが、手数料だけは、私たちが選ぶ時点で決まります。 「少しでもコストを抑えて、長く付き合っていきたい」 そんな私のわがままに応えてくれる、一番しっくりくる相棒だと思っています。
なぜ「オルカン」100%ではないのか?
最近は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):通称(オルカン)」1本にするのが、一番の正解と言われることが多いですよね。確かに、世界中にまるごと投資できるのは素晴らしい仕組みです。
でも、私はあえてオルカンに加えて、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」を20%ほど混ぜています。
なぜ、すべてをオルカンに任せないのか。 それは、やっぱり「為替の動き」が気になってしまうからです。
オルカン: 中身のほとんどが外国資産。円高になると資産が目減りする。
日本株: 私は結局、この先もずっと「日本円」を使って生活するつもり。
資産のすべてを為替の影響を受ける場所に置いておくよりも、少しだけ「日本円そのものの価値」を持つ資産を混ぜておく。それが、心配性な私にとっての「心地よさ」だったのです。
ついつい手が伸びそうになる「甘い誘惑」
選び始めると、魅力的に見える商品がたくさん目に入ってきます。
「今、AIや半導体が熱い!」(テーマ型)
「毎月分配金がもらえる!」(分配型)
こうした言葉を見ると、ついフラフラと手が伸びそうになります。 底に潜むリスクよりも、派手な利益や毎月の小遣いを狙いたくなるのは人間の性かもしれません。
でも、26年間相場を眺めてきて思うのは、こうした「流行りもの」をずっと持ち続けるのは、私たち素人には意外と難しいということ。
「どんなに相場が荒れても、空気のようにずっと持っていられるシンプルさ」。 結局、それが一番、資産を育ててくれる近道だったりします。
あなたにとっての「枕を高くして寝られる基準」を
投資信託の選び方に、「これさえ選べば100点」という絶対の正解はないと思います。
手数料が十分に安いか?
無理なく世界中に分散できているか?
為替の動きで不安になりすぎないか?
まずはこのあたりを、ご自身の感覚と照らし合わせてみてください。
誰かの真似ではなく、「これなら、もし暴落が来ても落ち着いていられる」という納得感。それこそが、何物にも代えがたい「あなただけの基準」になるはずです。
26年かかってようやく少しだけ肩の力が抜けた私の経験が、皆さんの銘柄選びのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。